BKOバカ女将

40歳過ぎにして初婚!嫁ぎ先は老舗の料理屋。若女将になったつもりが実はバカ女将。そんなバカ女将の徒然しない日記です。

無銭飲食のお客様

毎日暑い日々が続きますね…暑中お見舞い申し上げます。

皆様ごきげんよう。BKO(バカ女将)でございます。

さてさて今回のお話しは数年前、この夏みたいに暑い日の閉店後ふいにいらしたお客様のお話しです。

閉店後に現れたおきゃく様

BKOが『寒い、寒い!』…と豚汁を売っていた正月(嫁いで)から半年と少し経った頃、口を開けば『暑い、暑い!』と言いながら季節は夏を迎えておりました。

いつものように閉店して、レジを閉めていた時に店の電話が鳴りました。

予約かな?こんな時間に??私が受話器を取る

BKO:『はい○○店でございます』

お客様:『○○店さんですか?突然すみません。ご主人様はいらっしゃいますか?』

BKO:『主人…?ですか? はい、少々お待ちください』

何だか一般のお客様とあきらかに雰囲気の異なる電話に、チョット戸惑うBKO。

傍に居た主人に受話器を渡す。

受話器を受け取った主人が『はい、はい?はい…はい。』

『はい』だけで会話をした後、主人は急いで施錠された店のドアを開けて出ていきました。(@_@。???

時間にして10分くらいでしょうか?主人が一人で帰ってきました。右手に何か握って。

『何?どうしたの?』と不安気に私がきくと主人が

『7~8年くらい前にうちで食事したお客。店の前まで来ていた。まだ若かったな…』

数年後に再来店

主人の話によると7~8年前の正月に、そのお客様は友達とうちの店に食事をしにいらした男性だそうです。当時店はとても混んでいたそうです。

食事を終え、支払いの為に向かったレジには5組ほどお客様が並んでいたそうです。そのお客様は店に入る時にも並んで待たされ(お正月ですからね…焦)支払いまで待たされる事に、少しイラついて面倒くさくなったそうです。

そして友達と支払いをせず、混雑に紛れそのままこっそり逃げてしまったそうです。

お客様:『あの時は本当にすみませんでした!』

なぜか7~8年経って、彼は謝罪に来たのです。そして主人に深々と頭を下げて封筒を手渡して帰って行ったそうです。

主人が右手に握っていた封筒を開けてビックリ。2万円も入っていました。

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私どもの店で、お二人で2万円も食事をしようと思うと大変な量になります。

どう考えても、その時の数倍の金額を封筒に入れて彼は返しにきたのです。

7~8年も経てば無銭飲食は一般的には時効なのでしょうが、彼自身の良心に時効はなかったのでしょうね…

確かに当時彼らがした行為は許されることではありません。しかし何年も心にとめ、何年も経ってから謝罪しに来るには、大変な勇気がいった事でしょう。

 

私の初めての夏にあった不思議なお客様。。。毎年、暑い時期になると思いだします。

今度は是非、店が空いている時にゆっくりと来店して欲しいです。その時は

『ありがとうございました!』

と心から言わせて頂きたいと思います(^◇^)